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『少林拳』

 

少林拳は“外家拳(ガイカケン)”に分類されます。

外家拳は総じて、動作が速いのを特徴としています。

“少林拳”は前述した“少林寺”という、
河南省に有る禅宗の寺院に伝わった武術であり、
中国の楊子江を境として、北の少林寺(これを北派少林拳といいます)と
南の少林寺(同じく南派少林拳)とがあります。

北の少林拳は歩幅を広く取り蹴り技を多用し、
南は歩幅が狭く手技を多用すると言われており、

それは、

「北は広大な大地が広がっているから歩幅を広く取り、蹴り技を多く使うようになった。
南は川が多いので足場が不安定で滑り易い船上でも戦えるように
歩幅を狭く取り、

手技を多用する拳法が生まれたからだ」
と説明される事が多いのですが、実際の理由は良く解りません。

以前私がお世話になった先生によれば、
「中国の南部はマラリアで脾腫の者が多く、
拳・開手(貫手)で腹部を突き入れると脾臓が破裂して凡そ死亡する。
これに反して北部は寒冷で厚い綿服を着用するので、手技よりも蹴技が発達した」
という説もあるとの事です。


 

さてその“少林拳”ですが、技術的特徴としては、
1、進退とも一直線  2、地味  3、実用重視 等が挙げられます。
これらは大変解り易く、
見栄えよりも実用重視故に地味であり、
実用重視であるが為に最も使い易い直線攻防を採用しているのです。

実際に直線に退き、直線に攻め込む方法というのは初心者にも使い易く、矢鱈と円を描く流派よりも実用が簡単です。 
極端に言えば、色々と難しい事を言うよりも、
シンプル且つダイナミックに攻めるという事です。
これは実際学んでみると、戦闘方法として全く使い易いスタイルです。

最短距離を最大のスピードとパワーで打つのです。
 
少林拳は最もシンプルで基本的な攻防技術がその中心となっているので、
後々もっと複雑な攻防技術を持つ流派に移るとしても、
一度は練習しておきたい流派なのです。
個人的に、日本でもっともっと流行る事を望んでいます。

 

因みに誤解され易いのですが、

日本の“少林寺拳法”と、中国の少林拳は別のものです。

日本少林寺拳法は“八光流柔術”と“日本拳法”を融合させて成立した武道だと言われています。

私は日本少林寺拳法については門外漢なのであくまで印象ですが、

確かに突き方は日本拳法のそれに近い印象を受けますし、小手を極めての投げは柔術を感じさせます。

 

 

当会では少林拳を最も使い易い技術体系として位置付け、

基本的な技法と幾つかの套路を中心に据え、使える武術の基礎を作ります。

出来るだけ早く強くなりたいという方には、内家拳よりこちらを中心に教えています。

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